資産形成

4 (5) 投資信託(ファンド)とは

投資信託とは

 投資信託とはたくさんの投資家から資金を集めて株式や債券などに投資する金融商品のことです。ファンドと呼ばれることもありますが、ファンドは資金を集めて運用する仕組みのことを言い投資信託よりも広い意味を持ちますが、ここでの説明では投資信託とファンドは同じものと考えてください。

 話を簡単にするために株式投資に限定した投資信託について説明します。株式の投資信託は1つの会社の株式ではなく、たくさんの会社の株式をまとめて1つのパッケージ商品として売り出すイメージです。トマト、キュウリ、大根などをまとめて野菜セットとして売り出すようなイメージです。株式投資では、トヨタ、ホンダ、マツダなどの会社の株をまとめて「日本自動車ファンド」といった商品名をつけた投資信託が考えられます。(実際にこのファンドは存在しません。)

 わざわざまとめなくても、たくさんの会社の株を買うことは個人でもできます。しかし、買った株式の会社数がどんどん増えていくと個人でその株を管理するのは大変ですよね。また、たくさんの株を買う必要があるため高額な資金も必要です。投資信託はたくさんの株を買ってきてそれをひとまとめにして、個人が少額で買えるように売ってくれるのです。個人は100円分から買えるのです。投資信託は色々な会社に投資したい人にとってとてもありがたい商品なのです。

図1 投資信託

 なぜ、たくさんの会社の株式を買う理由は、1つの会社の株式だけだとその会社が倒産したとき、投資していたお金が全てなくなってしまうからです。複数の会社に投資しておけば、1つの会社がダメになっても他の会社の儲けがあればその損失を穴埋めすることができます。だから、さまざまな会社に分散して投資したほうが安全なのです。よく格言で卵を1つのかごに盛るなと言われています。かご(1つの会社の株式)を落としてしまうと財産がすべて失われてしまうので、たくさんのかご(たくさんの会社の株式)に分けて保有せよという意味です。

図2 集中投資と分散投資

 投資信託は株の詰め合わせパックで複数の会社の株を複数組み合わせて投資家に売ってくれるものと説明しましたが、一回買ったら株式の割合が固定されるのではなく中身の株式も定期的に入れ替えてくれるサービスもあります。業績の悪い会社の株を売って、そのお金で業績の良い会社の株を買うということも行われています。

 だだし、このようなサービスには購入時手数料、信託報酬などと呼ばれる手数料がかかります。無料で分散投資や銘柄選定をやってくれるわけではないのです。購入時手数料は最近は無料のものが増えてきましたが、信託報酬は安くなってきたとはいえゼロ円ではありません。信託報酬はばらつきがあり0.05%のものもあれば2%のものもあります。信託報酬だけで何10倍も違うため、投資信託を購入するときは手数料に注意しましょう。

 ここで大事なのは、高い手数料を払えば儲かるというほど株式投資はあまいものではないということです。購入した投資信託が確実に儲かる保証はないのにも関わらず、信託報酬などの手数料は確実に徴収されます。高い信託報酬を払ったが全く儲からなかったという例はいくらでもあります。信託報酬が安い例にはパッシブ(インデックス)ファンド、高い例にはアクティブファンドというがあります。順に説明していきます。

パッシブ(インデックス)ファンド

 手数料が安い投資信託の代表例は安いのにはインデックスファンドです。これは日経平均やS&P500などいわゆる株価指数に連動する投資信託です。日経平均は日本経済新聞社が選定した225社の株価の平均値です。S&P500はS&P社が選定している約500社の時価総額加重平均の指数です。時価総額加重平均とは大きい会社ほど指数に与える影響が大きい指数です。この指数と同じように値動きするように株や債券を買って投資家に販売するものです。日経平均の投資信託を持っていれば日経平均を構成する会社の株をすべて買ったのと同じ効果があります。株式を225社分買い集めるのはお金も労力もかかりますが、このファンドは100円から簡単に買うことができます。S&P500もほとんど同じでアメリカ市場の代表的な約500社の株から構成されています。

 このインデックスファンドは、次に説明する人間が投資判断を行わずに機械的に購入するため、信託報酬を安くできるメリットがあります。また、株式投資を行うにはインデックスファンドが最適であるという考えがあります。僕もこの考えを支持します。

アクティブファンド

 手数料が高いものの代表はアクティブファンドです。アクティブファンドは「ファンドマネージャ」と呼ばれる人が、今後値上がりが予想される株を予め購入して株の値上がりを狙うものです。インデックス(パッシブ)ファンドが株価指数と連動するように機械的に株を購入するのに対して、アクティブファンドはインデックスファンドを上回る利益を狙います。ファンドマネージャの腕が良ければ大きな値上がりが期待できます。一方で、この凄腕?ファンドマネージャには報酬を払う必要があるため、アクティブファンドは信託報酬が高い傾向があります。

 投資のプロに自分の代わりに投資してくれると聞くと高い手数料を払ってもアクティブファンドのほうがいい気がしますよね。でも、実際はアクティブファンドの成績はそれほどよくないのです。凄腕ファンドマネージャはほとんどいません。ほとんどのファンドはインデックスファンドの成績と同程度の成績しか残せず、高い信託報酬のおかげでアクティブファンドのほうが儲けが少なくなり、高い手数料の払い損になることが多いです。 このような理由からこのブログのおすすめは手数料の安いインデックスファンドです。なぜ、アクティブファンドは儲からないのか?その答えは効率的市場仮説にあります。こちらをご覧ください

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