資産形成

4 (4)色々な投資商品を眺めてみよう

 株式投資の他に、投資先には様々なものがあります。証券会社で購入できる投資商品には株式の他に、国債などの債券やREIT、ゴールド(投資信託の形で販売されている。投資信託の詳細について次回説明)などが販売されています。

株式投資

 投資でメインとなるのは株式です。株式への投資は株券を買ってその会社が儲かればその負け前をもらう投資方法です。株券を買うというのは株主になること、つまり、その会社のオーナーになるということです。オーナーといってもたくさんの株が発行されていますので1億株発行されていて1株だけ持っているという状況では1億分の1分だけオーナーの権利を持っているという感じです。会社のオーナーはその会社が儲かれば、儲かった分だけ分け前を貰えます。

図1 株式投資

 儲けは配当金という形で受け取ることができます(インカムゲイン)。また会社の方針では配当金は出さずにそのお金をさらに会社を成長させるために使う場合もあります。この場合、投資家はお金を受け取ることができないのですが、会社が大きくなるということは会社の価値が上がるということなので株式そのものの価値が上がります。株式は自由に売買できるため、その会社の価値の上がった株を転売することができれば投資家は儲けることができます(キャピタルゲイン)。つまり、配当として会社の利益を支払ってもまたは会社を大きくして株価が値上がりしても株主にはプラスになるということです。

図2 インカムゲインとキャピタルゲイン

 株式投資は将来儲かると考えられる会社の株式を買うものです。会社が儲かれば投資家は大きなリターンが得られる一方で、不幸にも会社が傾いたならば投資家は株価が下がって損をしてしまうことに注意が必要です。

債券投資

 続いて債券投資です。簡単に言ってしまえば債券投資はお金を貸して利息を貰うことです。国や会社などにお金を貸して利息をつけて返してもらうのが債券投資です。我々は銀行などからお金を借りてローンを組んで家を買ったりしますがその逆です。我々が企業などに貸して利息を貰うのです。

 この場合、利息の利率(これからは金利ということにします。)がどのくらいになるか気になりますが、一般的には以下の基本的なルールがあり、企業が発行する社債を例に説明します。社債はいわば会社がする借金です。お金を借りる会社は利息をつけて借りたお金を貸してくれた人に数年から数十年かけて返済していきます。この場合、安定した企業がお金を借りる場合の金利は安く、不安定な企業なら高くなる傾向があります。不安定な企業ほど金利が高い理由は、倒産してしまうと貸した人は利息を貰うどころか貸したお金そのものが返ってこないからです。ですから、危ない会社の場合、高い金利がないと貸すことができないのです。

図3 高金利の債券と低金利の債券

 このように債券投資の場合は、儲かっていない会社や倒産するかもしれない高い会社ほど金利は高い傾向にあります。したがって、債券投資をするときは高い金利に飛びついて投資するのは危険です。その債券を売り出した会社が倒産してしまっては元本すら返ってこない可能性があるからです。

 金利を決めるもう1つの要素はどれだけ長い期間お金を貸すかです。すぐに帰ってくるお金であれば金利は安くてもいいでしょう。しかし、10年のように長期にお金を貸す場合はちゃんと返ってくるか不安です。貸した先の企業が今は優良企業でも、10年後は倒産してしまい貸したお金が帰ってこないかもしれないからです。したがって、お金を貸す期間が長くなるほど金利が高くなるのです。倒産のリスク、お金を貸す期間と利子の高さの釣り合いが取れるように金利が決められます。

 また、国が発行する債券を国債といいます。国がする借金のことですね。国債は国が保証するので、社債よりも金利が低いです。国が破産するのは企業が倒産する確率よりも低いと考えられているからです。また、国債も社債同様に貸す年月が長いほど金利も高くなります。

不動産投資とREIT

 不動産投資はいわゆる大家業です。マンション、アパートなどを保有して住宅を探している人に貸し出すものです。不動産投資は大家業ですので、株や債券と異なって保有物件を修理したり、空き室が出たら住居者を募集したりと実労働が伴うので半分投資で半分労働といったところでしょうか。また、マンションやアパートは1棟が数千万円以上するため、大きな元手が必要だったり、借金が必要だったりと投資のハードルが高いという特徴もあります。

 不動産投資の敷居を低くしたものがREIT(Real Estate Investment Trust)です。不動産投資とREITは同じではないですが扱う投資対象が不動産という点で共通しています。REITは簡単に言ってしまえば不動産投資を証券会社において少額で扱えるようにしたものです。一般的な不動産投資は、つまり家や土地を買ったり売ったりするのは、数千万円から数億円と大きな金額が必要です。このような大金は普通の人がぽーんと出せるお金ではありません。REITはたくさんの投資家から小口のお金を集めて不動産に投資するものです。個人は100円から投資できるので、大きなお金がなくても不動産に投資できるメリットがあります。不動産に10万円程度で投資したいなどと言った場合にはREITが役に立ちます。

 REITで集められたお金は1件の物件に投資される場合もありますが、たいていの場合は複数の不動産を扱っているため分散して投資できるメリットもあります。例えば、1件の投資物件が災害で壊れてしまっても複数の物件を持っているREITであれば全損となることを防げるのです。また、個人が不動産投資する場合は投資先はアパートやマンションといったものになりますが、REITであればホテルや商業ビルといった様々な物件に投資することが可能となります。

図4 不動産投資とREIT

商品

 商品とは、原油、小麦、金などを買うことを言います。これらの値段が上がることを期待して予めこれらの物を買うことをいいます。ただし、現物を買って家に保管するわけにもいきませんので、たいていの場合はこれらの取引き価格に連動した投資信託やETFと呼ばれるものを買うことになります。(これらの投資信託やETFを買えば実際に商品を自宅に保管する必要がなくなりますが、保管などのための手数料がかかります。また、実際に実物を買わない取引もありますが別な手数料がかかっているので手数料がどのくらいなのかは調べておきましょう。)

 商品に投資する際の注意点は、これまで説明した株式、債券、不動産、REITは企業の儲けや家賃収入などによって配当がありますが、商品には配当がないことです。商品は、配当がないのが弱点です。ゴールドは永遠の輝きを保ち価値の保存という点で優れており、商品はどちらかといえば守りの資産になることが多いでしょう。資産形成の初期は買う必要性は小さく、買っても少な目にするのが良いでしょう。

図5 商品への投資

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